どうしても譲れないものはある

2006/ 12/ 23
                 
藤沢周平原作・山田洋次監督
「たそがれ清兵衛」

これは一度映画館で見たけれど、今日TVで放映されると
オットが見ていたので、私もつられて二度見てしまった。

12月1日から封切られている話題の映画「武士の一分」も
ぜひ映画館で見たいと思っているけれど、なかなか時間が
とれない。

藤沢周平の作品には同じテーマが流れている。
世間からどう言われようとも「自分の中で譲れない何か」
貫き通すという生き方。
高知県人に流れている「いごっそう」精神にも似たものを感じる。

土佐弁で「いごっそう」は主に男性に使われ、
「頑固者」「根性のある」男性のことを表現するとき使う。
これに対して女性には「はちきん」という言葉が使われる
「お転婆な女性」「元気のいい女性」という意味。

最近は年がいったせいかどうも「いごっそう」「はちきん」ぶりが
顔を出すことが多くなり、ちょっと反省している。

職場でどうしても譲れないこと、筋が通らない話にはどうもガマンが
できなくなり、会議の席で理事長に向かってついにはっきりと
「筋の通らない話は納得できない」と発言してしまった。

今までずっとワンマン理事長で、職員は陰で文句をいいながらも
逆らえなくて、結局は言われるままに理不尽なこともさせられて
いた。もちろん、そういう彼を一番理解してくれて職員をうまく
誘導してくれると信じていたから、私は職場復帰を頼まれた
ということも理解していた。

職場復帰してそろそろ3年目、理事長も74歳になりいささか
認知症気味でその発する言葉の脈絡のなさに困り果てる日が多く
なってきた。
普通の老人なら、優しくしてあげなくては・・・という気持ちも
湧いてくるけれど、権力をカサにきて
上から頭ごなしに言われるとムっとすることが多い。

理屈をしっかりという性格も土佐人独特のもので、私の予期せぬ
発言に理事長は少なからずショックを受けていたようだったが
私は謝らなかった。
理事長は、しばらくすねている様子だったが、私は翌日から
「理屈と仕事は別」と割り切っていたので、いつものように
理事長に銀行関係の報告をし、理事長の了解をとってから
行動に移すというパターンは変えなかった。

「辞めろ」と言われれば、すぐにでも辞めるつもりで、発言を
したので、恐いものはなかったし、何よりも筋を通したことで
すっきりしていた。

不思議なことに、その発言をした後から
周囲の人たちの態度が変化してきたのだ。
本来は理事長に言いたい文句を私に言って、敵対視した発言をして
いた人たちが、急に態度が変わり、ニコニコと話しかけて
くるし、「ご相談があるんですが・・」などと今まで言ったことも
ないような言葉を出す人もいたり、常勤のドクターまでもが
仕事上のことをいちいち報告してくれたり、「ええ?どうなったの?」と
こちらが聞きたいような雰囲気に変わってきたのだ。


しかし、いろいろ周囲の人のことなど詮索するのも面倒なので
私は、物事は単純に考えることにし、その中でも「筋は通す」
ことだけは譲れないと思っている「頑固者」になりつつあるようだ。

bugen

ブーゲンビレア
牧野植物園の中の温室に咲く花を紹介するのを忘れていました。
今夜は遅くなったので、花たちのことはまた明日に・・・。


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コメント

        

その頑固者に1票。
この前日本に行った時に、妹から小林正観さんの『宇宙を味方にする方程式」という本をもらいました。これは毎日が楽しくなる、肩の凝らない人生論!でこの生き方も楽しそうです。
年をとると頑固になっていくのかな、というのは、自分の両親を見ていて思います。
それが「筋が通っている」のなら、私も周りも全然構わないんですが、どうも周りが見えてないような時は、私達も困ってしまいます。
「筋を通す頑固者」、そんな素敵な頑固者ならなってみたいです。
ブラボー!!
読んでいて、スカッとしました。
イキのいい、エネルギーにあふれた文章でした。
言いたくなったcoffebreakさんの気持ち、理事長のショック、
周囲の人の変化…どれも、よくわかるなぁ。
そうですか、高知の方には、そういう気質があるのですか。
…では、ワタシもさかのぼっていくと、どこかに、高知の祖先が!?(笑)
<ciscokidさん>
v-170 小林さんの本はおもしろそうですね。
早速探してみます。
人生はシンプルにいきたいなあと思っています。
<うるわしさん>
v-170 年をとると、確かに頭が固くなって
相手の言うことに素直になれないことが多くなります。
理事長の姿を見て、私も10年後にはあんな風に
理不尽なことを言い出したりするのかなあ?と不安に
なることもあります。
<ミントさん>
v-170 あ、お久しぶりです。
まあ、理論的な文章の達人にそんな風に感想を
言っていただくと恥ずかしいような・・・・。
でも、うれしいです。
そうそう、ミントさんのご先祖さまは、もしかしたら土佐の
いごっそう人だったかもね??(笑)
年をとると・・・
たしかに年をとると、素直になれず頑固になりつつあり、
時に反省しています。
年をとったらかわいい女性でいたいと思うのですが・・・
皆に可愛がられ、楽しい人生が送れたら幸せですよね。。。
< guraseriさん>
v-170 かわいく年をとることは大事なことです
よね。
でもその中でも「これだけはどうしても譲れない」という
ものもあるのです。
それはガンコものと言われても仕方がないことなのかな?
とも思います。
私はけっしてがんこだと思いません。自分の意思を持って
生活されている方を尊敬してます。話は全然変わって
しまいますが、映画の中で使われている方言「がんす」が
とても気に入っています。
<sakanaさん>
v-170 方言の「がんす」は庄内地方の
方言のようですが、藤沢周平の故郷の言葉なので、
「武士の一分」でも「がんす」が度々でてくるようです。
自分の意思を持って生活するということは大事な
ことですよね。
こんにちは^^
あー、いごっそう、、、土佐の言葉だったですねえ。
これだけは! と自分を曲げないで言葉にする、態度にする、中々できないことですよね。
でも、筋もそうですが、芯が通っていたから皆さんの反応もちゃんと返ってきたのでしょう。
coffeebreakさんのイキの良さに乾杯です^^
<まりおままさん>
v-170 いごっそう・・・その言葉ご存知でしたか?
いやあ、今回ばかりは言わずにはいられなくてついに
言ってしまいました。
「なめたらいかんぜよ!」という宮尾登美子さんの小説に
出てくる女性のセリフがありますが、その心境でした。
周りの人の反応は、会議に出ていたわけではないのに
どうしたんだろう?と今でも不思議なんですよ。